株は上下変動します。金融情報レポートを見たり読んだりすると、株が上がったり下がったりしたことが話題になっていることがあると思います。もちろん株そのものが上下するわけではなく、上下に動くのは株の価格です。株価は毎日変動します。証券CFDトレーダーとしてやるべきことは、将来の株価動向の見極め方を学ぶことです。株式や証券CFDのトレーダーは株価チャートを使用して、過去の株価動向を把握します。それにより、将来の株価動向がより正確に予測できるようになるからです。この、将来の株価動向を見極めるために過去の値動きを分析するプロセスをテクニカル分析といいます。
テクニカル分析、もしくはチャート分析は、ファンダメンタルズ分析を行った後に、投資家が取る自然なステップです。ファンダメンタルズ分析によって、特定の株や証券CFDを買うべきか売るべきかを判断し、テクニカル分析で、その株や証券CFDを売買するタイミングが判断できます。ほとんどのトレーダーが、テクニカル分析は習得に時間と練習を要する技能のようなものだと考えています。
証券CFDのトレーダーとして成功するには、値動きのトレンドを見極め、それに沿って取引することが不可欠です。株式市場は感情的に流されやすくなる場所であり、トレーダーが株価を一方向に押し出すと、通常その他のトレーダーも後に続き株価を同じ方向に押し動かします。変動する株価の背後に勢いの増大が見られる場合、株価はその方向に動き続ける可能性が大きいのです。この時にトレンドに沿って取引すれば、利益を上げる可能性が高まります。トレンドに逆らった場合は、概して損をする結果になります。
トレンドは、最も可能性の高い将来の株価動向を教えています。多くのトレーダーが利益を上げるために株価を押し上げている時に、あなたはも証券CFDを買わなければなりません。また多くのトレーダーが利益を上げるために株価を押し下げている場合は、証券CFDを空売りしなければなりません。株価の方向が定まらずもみ合って横ばいを続けている時に利益を上げるためには、「買い」「空売り」を交互に繰り返すか、もしくはトレンドが明らかに上か下に向かうまで待つ必要があります。
トレンドは上方向や下方向に一直線に向かうわけではありません。将来の株価動向についてはトレーダーによって見方が異なり、トレーダーはそれぞれの見解に従って投資を行います。このようなトレーダーの思惑の違いによって、株価は同一トレンド内で上下に動きます。
株価が一方向に動くとトレーダーの大多数が確信している時は、意見を異にする少数派のトレーダーを凌駕することができます。これが起きると、株価は多数派のトレーダーがさらなる値動きに確信が持てなくなるまでトレンドに沿って一方向に動き、その後は株価の動きに勢いがなくなります。多数派が確信を持てなくなるにつれて、少数派が値動きに影響を与えることができるようになり、株価は反転して以前の値動きを部分的に逆方向に辿ります。ただし、多数派が一息入れて勢いを取り戻すと、株価は再度反転して元の方向への動きを継続します。値動きが反転して逆方向に向かい始めるたびに、新しく高値や安値を形成します。この新しい高値は株価が上昇してから反転して下がってきた時に形成され、新しい安値は株価が下落してから反転して上がってきた時に形成されます。これらの高値と安値を特定することによって、その証券CFDが上昇トレンド、下降トレンド、または横ばいトレンドのいずれにあるかを特定することができます。
上昇トレンド - 上昇傾向に証券CFDが形成する一連の高値と安値が切り上がります(図1参照)。
図1 - 上昇トレンド
下降トレンド - 下降傾向にある証券CFDが形成する一連の高値と安値が切り下がります(図2参照)。
図2 - 下降トレンド
横ばいトレンド - 横ばい傾向にある証券CFDが形成する一連の高値と安値がほぼ同じ価格水準にあります(図3参照)。
図3 - 横ばいトレンド
練習問題
株価が上昇から下降に転じ、次いで上昇、下降と変動しているときは、下記のどのトレンドと言えるでしょう?
- 上昇トレンド
- 下降トレンド
- 横ばいトレンド
- 上記のいずれでもあり得る
正解: 上記のいずれでもあり得る(情報が不十分なため)
(解説)株価は上昇トレンド、下降トレンド、横ばいトレンドのいずれであっても上下することを思い出してください。株価がどこで高値と安値を形成しているかを特定することが鍵になります。上昇トレンド、下降トレンド、横ばいトレンドのいずれであっても、トレンドが形成される期間は様々です。
以下に説明する長期・中期・短期の時間枠ごとにトレンドを特定することができれば、トレーダーとして成功する重要な鍵となります。
株価の長期トレンドに影響を与えるのは、経常収支の赤字/黒字額などの基礎的な要因です。会社の業績が根本的に良い時は、通常その会社の株価は上昇します。会社の業績が悪い時は、通常その会社の株価は下落します。会社の業績見通しが文字通り一夜のうちに変化することはあり得ますが、会社の業績見通しによって確立されるトレンドはしばらく続く傾向があります。
メジャートレンドとも呼ばれる長期トレンドは、株や証券CFDを最も長期間にわたって支配してきたトレンドです。下記のF社の週足チャートを見ると、株価が左から右へと上昇トレンドにあり、時間が進むにつれて一連の高値と安値が切り上がっていることが分かります(図4参照)。
F社のチャートのような力強い上昇トレンドを見れば、トレーダーがこの株をしきりに買いたがっていることが分かります。この値動きから利益を得たければ、証券CFDを買う必要があります。F社のチャートのトレンドが下を向き続けている場合、この値動きを利用して利益を上げるには証券CFDの空売りを考えます。
次に、中期トレンドを見て、それが長期トレンドと同じ方向を向いているかどうかを見極める必要があります。
マイナートレンドとも呼ばれる中期トレンドは、対象とする期間が長期トレンドより短いため、長期トレンドよりも素早く動きます。このトレンドも会社のファンダメンタルズ要因の影響を受けます。下記のF社の日足チャートを見ると、株価は長期の上昇トレンドに追随して一直線に上昇したのではないことが分かります。株価が横に動いていた期間がありましたし、株価が下落していた期間もありました(図5参照)。
中期トレンドが横ばいであったり下降していた期間があっても、長期トレンドは依然として上昇していたことに注目してください。トレンドは階段状やジグザグに動いたりする傾向があります。トレンドが一直線に上昇したり下降したりすることはめったにありません。
あなたは、この値動きを見ればG社株が買いたくなるはずです。ただしそのような場合でも、中期トレンドが上昇しており、かつ長期トレンドに連動していることを確認するまで、証券CFDを買い付けるのを待ってもよいということも教えています。次は短期トレンドを見て、それが長期トレンド並びに中期トレンドと同じ方向を向いているかどうかを見極める必要があります。
マイクロトレンドとも呼ばれる短期トレンドは、対象とする期間が最も短く、またその日の出来事に圧倒的な影響を受けるので、長期トレンドや中期トレンドよりも急激に変動します。短期トレンドの方向が急激に変わるのを見ることは珍しくはありません。下記のF社の1時間足チャートを見ると、このチャートの始めの方では株価が短期的な下降トレンドにあったことが分かります。時間の経過につれて、一連の高値と安値の動きに注目してください(図6参照)。
短期トレンドが下降しているにもかかわらず、中期トレンドと長期トレンドは依然として上昇していたことにも注目してください。したがって、異なる方向に動く異なるトレンド時間枠が同時に存在することはあり得ます。たとえ中期トレンドと長期トレンドが強気であっても、この1時間足チャートの下降トレンドを見ると、恐らくその時点ではF社への強気の投資は思い止まったことでしょう。ただし、これは短期トレンドでしかなく、F社に対する強気の自信を放棄する必要はありません。事実、F社の1時間足チャートの終わりの方を見ると、短期トレンドの方向が変わったことが分かります。これで3つすべてのトレンドの方向が揃いました。
長期、中期、短期の各トレンドがすべて同じ方向に整列した時が、最も収益性の高い取引機会となります。ちょうど流れに逆らって泳ぐよりも流れに乗って泳ぐ方が楽なように、トレンドに逆らって取引するよりもトレンドに乗って取引する方が簡単です。長期、中期、短期のすべてのトレンドが上昇している時は、証券CFDを買う最高のタイミングです。長期、中期、短期のすべてのトレンドが下降している時は、空売りをする最高のタイミングです。F社のチャートでは各時間枠のトレンドが過去数ヶ月間上昇しており、G社の株価が急上昇していることが分かります。F社の証券CFDを購入して、直近の急騰期間中にこの株を保有していたとすれば、大きな利益を上げられたはずです(図7参照)。
トレンドを理解するということは、基本的なテクニカル分析とは何かを理解することの半分にしかすぎません。テクニカル分析の全体像を得るためには、サポートラインとレジスタンスラインの概念を理解しなければなりません。
サポートライン(下値指示線)とレジスタンスライン(上値抵抗線)は、オリンピックの競泳プールの両端のようです。選手がターンして反対方向に泳ぎ始めように、サポートラインとレジスタンスラインも、これまでの値動きが止まり、反転して、逆方向に動き出す可能性があるかどうかを知らせてくれます。それが分かれば、投資の開始と終了を最も収益性の高いタイミングで行うことができるのです。サポートラインは、これまでの下落が止まり、反転上昇を始める傾向のある価格レベルです。サポートラインは、トレーダーたちの重要な心理状態を表しています。
サポートラインは通常次の理由で形成されます。
- 以前の買い場を逃したトレーダーが、ここが買う良いタイミングであると判断します。
- 株や証券CFDをすでに買っているトレーダーが、ここがポジションを増やす良いタイミングであると判断します。
- 株や証券CFDを空売りしていたトレーダーが、ここが利益を確定させるよいタイミングであると判断します。
また、レジスタンスラインは証券CFDの価格が上げ止まり、反転下落を始める傾向のある価格レベルです。
レジスタンスラインは、トレーダーにとって重要な心理状態を表しています。
レジスタンスラインは通常次の理由で形成されます。
- 以前の売り場を逃したトレーダーは、ここが空売りをする良いタイミングであると判断します。
- 株や証券CFDをすでに空売りしているトレーダーは、ここがポジションを増やす良いタイミングであると判断します。
- 株や証券CFDを買っていたトレーダーは、ここが利益を確定するよいタイミングであると判断します。
サポートラインとレジスタンスラインの位置は厳密ではありません。大体の価格帯です。サポートラインとレジスタンスラインの位置を見極めるには、自分が先の細いペンではなく大きなマーカーでサポートラインとレジスタンスラインを描いているところを想像してみてください。例えばS&P500で、1410の価格レベルをサポートラインとしてピンポイントで特定しようとすると失敗します。1400~1420または1390~1430という値幅をサポートラインとして特定したほうがはるかにうまくいきます。支持線と抵抗線には、柔軟に対処するための余地を残しておきましょう。サポートラインとレジスタンスラインには様々な形と大きさがあることに気付くでしょう。
トレーダーとして成功するには、以下のサポートラインとレジスタンスラインを認識できるようになる必要があります。
水平のサポートラインとレジスタンスライン
株価が繰り返し何度も同じ水準まで上昇したり下落したりする時に、水平のサポートラインと水平のレジスタンスラインが形成されます。例えばG社のチャートを見ると、(太い黒線で示される)一定の価格レベルが強いサポートラインとレジスタンスラインとして機能していることが分かります。2007年6月から2007年8月初旬まで、77.50ドルの価格レベルが株価のサポートラインとして機能していました(図8参照)。株価が8月中旬にこの価格レベル77.50ドルを一旦下に抜けると、8月中旬から9月初旬にかけてはこの同じ価格レベルが株価のレジスタンスラインとして機能しました。
サポートラインで跳ね返ってきたG社の証券CFDを9月前半に72.50ドルで買い、今やそれが82.50ドルに近づこうとしていると仮定してください。この価格レベルが強いレジスタンスラインであることが分かっているので、株価が反転して下落し始める前に利益が確定できるように、G社への投資を手仕舞うことを考えてもよいでしょう。水平のサポートラインとレジスタンスラインを安心して特定できるようになれば、斜めのサポートラインとレジスタンスラインに進むことができます。
斜めのサポートラインとレジスタンスライン
斜めのサポートラインとレジスタンスラインがトレーダーの一番の味方になり得ることが、やがて分かるようになると思います。斜めのサポートラインとレジスタンスラインを特定することは、投資を始めたばかりの時は難しい場合がありますが、トレンドのある証券CFDを分析するときは極めて有益です。 トレンドがはっきりしているときは収益性の高い取引をするのがはるかに簡単なのす。
株や証券CFDのチャートを見れば、価格が上がったり下がったりするにつれて、高値と安値が切り上がったり、あるいは高値と安値が切り下がったりすることに気付き始めます。これらの高値と安値を結ぶ線が斜めのサポートラインとレジスタンスラインです。
例えば前に見たのと同じG社のチャートを見ると、株価は2007年末に向かって一連の高値と安値を切り下げていることが分かります。すべての高値を斜めの線で結び、またすべての安値を別の斜めの線で結ぶと(太い黒線で示してあります)、G社の株価に影響を与える斜めのサポートラインとレジスタンスラインを見ることができます(図9参照)。同じ期間中に、サポートラインとレジスタンスラインの両方がある状況下で、サポートラインとレジスタンスラインの間に下降トレンドも見ることができます。
G社に注目していたとすれば、この証券CFDを空売りするのは下降トレンドのレジスタンスラインにタッチするまで待つことになったでしょう。いったん空売りを行ったらG社が下降トレンドのサポートラインまで下落するのを確認した上で投資を終了すれば、利益を上げることができます。サポートラインとレジスタンスラインを使用した有効な投資における本当のこつは、両方を組み合わせて分析を行うことです。G社の株価チャートの説明で見た通り、水平方向と斜めの方向にサポートラインとレジスタンスラインが共存しています。株価チャートにはその中に豊富な情報が封じ込められており、あなたのテクニカル分析を待っています。