株価は上下変動を絶え間なく繰り返します。そしてそれに連動する証券CFDの価格も同じように動きます。この値動きが証券CFDのトレードに人々を引き付けるのです。結局のところ、株価が動かないものなら、証券CFDのから利益を上げることもできません。
問題は株価が上下する原因です。刻一刻株式に一定の値が付く理由はどこにあるのでしょうか。答えは株式が上下するには数多くの理由が存在するからです。理由は決算発表から景気後退まで、いかなるものでもありえます。ただし、すべてが需要と供給(需給)の力に応じて変化します。成功するためには大局に注意を払わなければなりません。1つや2つの要因だけに捕われることは避けてください。株価が上下する理由を理解するために、以下を指摘しておきます
まず、株式や証券CFDの価格は需給関係の力によって変動します。供給は、一般投資家が入手できる株式や証券CFDの枚数によって定まります。需要は、株式や証券CFDの売買を行いたいトレーダーの願望によって変化します。典型的な需要と供給のチャートを次に示します(図1)。需要は左から右へと下向きになっている線によって表されます。供給は右から左へと上向きになっている線によって表されます。2つの線が交差する点は、株式や証券CFDに対して市場が受け入れる価格を表します。

図1 - 需要と供給チャート
需要と供給は両方とも、様々な市場条件によって増減する場合があります。以下の要因が株式や証券CFDの価格にどのように影響を及ぼすかを見てみましょう。
- 需要の増加による株式と証券CFDの価格への影響
- 供給の増加による株式と証券CFDの価格への影響
- 需要の減少による株式と証券CFDの価格への影響
- 供給の減少による株式と証券CFDの価格への影響
1.需要の増加による株式と証券CFDの価格への影響
株式や証券CFDの需要が増加すると、価格は上昇します。簡単に言うと、「買う人が売る人より増えたから上がった」のです。次(図2)の需要と供給チャートを見れば、需要が増加するにつれて需要カーブがチャートの右方向へ移動していくことが分かります。さらに右へ移動すると、需要カーブが供給カーブと交わる点がどんどん上昇します。これは株式や証券CFDの需要が増加すると、価格が上昇することを示しています。

図2 - 需要と供給チャート(需要の増加)
会社が四半期や年の予想を上回る利益を発表すると、株式や証券CFDの需要が増加する、つまり買いたい人が増える場合があります。例えばある会社が新製品の信じられない売上のおかげで実現した利益押し上げを発表したとき、同社が華々しい利益を上げ続けるであろうという期待から、トレーダーはその株式を買いに走りました。
2.供給の増加による株式と証券CFDの価格への影響
株式や証券CFDの供給が増加すると、価格は下降します。次(図3)の需要と供給チャートを見れば、供給が増加するにつれて供給カーブがチャートの右方向へ移動していくことが分かります。さらに右へ移動すると、供給カーブが需要カーブと交わる点が下降します。これは株式や証券CFDの供給が増加すると、価格が下落することを示しています。

図3 - 需要と供給チャート(供給の増加)
主要株式市場指数(例えば日経平均)がその指数からある銘柄を除外すると、株式や証券CFDの供給が増加する場合があります。例えば工業製品供給メーカーのC社は、一時期ダウ平均(アメリカの株式市場指数のひとつ)の構成銘柄でした。しかしながら、経済状況によって広域市場におけるC社の重要性が低下したために、ダウ・ジョーンズはこの銘柄を優良指数から除外することを決めました。この上場廃止の結果、ダウ平均に基づくポートフォリオを維持管理する多くのファンドマネージャーはC社株式の売却を余儀なくされ、売り物のC社株式の市場への供給が増加しました。
3.需要の減少による株式と証券CFDの価格への影響
株式や証券CFDの需要が減少すると、価格は下降します。「買う人が売る人より少なくなったから下がった」のです。次(図4)の需要と供給チャートを見れば、需要が減少するにつれて需要カーブがチャートの左方向へ移動していくことが分かります。さらに左へ移動すると、需要カーブが供給カーブと交わる点が下降します。これは株式や証券CFDの需要が減少すると、株価格が下落することを示しています。

図4 - 需要と供給チャート(需要の減少)
トレーダーが企業に関する悪材料や風評を耳にすると、株式や証券CFDの需要が減少する場合があります。例えば国際的な製薬会社D社は新薬を飲んだ患者に心臓発作リスクが増加するという報告書のため、新薬を回収せざるを得なくなるということがありました。新薬販売からの収益の喪失と、訴訟によって見込まれる損失が、D社の収益性に劇的に影響を与えることを、トレーダーが懸念したことは想像にかたくありません。その直接の結果として、D社の株式の需要は減退しました。
4.供給の減少による株式と証券CFDの価格への影響
株式や証券CFDの供給が減少すると、価格は上昇します。次(図5)の需要と供給チャートを見れば、供給が減少するにつれて供給カーブがチャートの左方向へ移動していくことが分かります。さらに左へ移動すると、需要カーブが供給カーブと交わる点が上昇します。これは株式や証券CFDの供給が減少すると、価格が上昇することを示しています。

図5 - 需要と供給チャート(供給の減少)
企業が自社株を買戻すと、株式や証券CFDの供給は減少する場合があります。自社株が安価で取引されていると感じる企業は、手元余剰資金があれば自社株を買戻して株価を上げることによって、自社に投資をすることがよくあります。
需要と供給の変化が株式や証券CFDの価格に及ぼす影響はこれで理解できましたので、次は需要と供給の変化を引き起こす原因を理解する必要があります。誰がこの変化を引き起こすかといった方がいいかもしれません。
株式や証券CFDの市場では取引を目的として、数多くの異なるグループと人々が一堂に会するために、その一人ひとりが需給関係の力に影響します。ただしこの異なるグループと人々は取引のために一堂に会したかもしれませんが、市場参加者の誰一人として正確に同じ存在はいません。それぞれの市場参加者には、取引にあたって考慮しなければならない個人的な行動計画と個々のニーズがあります。市場参加者のなかには取引へのすばやい参戦と撤退を目指す者もいれば、長期保有を目的として株式や証券CFDを購入する者もいます。投資に必要な莫大な資金を持つ参加者もいれば、小額の個人勘定で取引を行う参加者もいます。各種市場参加者のニーズと目的を理解すれば、市場で起きていることをより良く理解でき、値動きから利益を引き出すポジションを取ることができます。これに関して説明するために、主力市場参加者を次の2つの大きなグループに分割します。
- 機関投資家
- 個人投資家
1.機関投資家
機関投資家は通常莫大な資金を管理する、専門の投資家集団です。通常このグループはミューチュアルファンド、ヘッジファンド、年金資金などを扱います。彼らは巨大で影響力が大きいので、将来の需給の行方を検討する際に、注目する必要があるグループです
機関投資家は市場を動かします。彼らが運用する資金は非常に莫大ですので、株式を買うか売るかの決定次第で上昇へ向かって、もしくは下降へ向かって株価を動かす力があります。100万株を買い付けようとしているトレーダーは、100株だけの買い付けを狙っているトレーダーよりも強力に価格を動かすであろうことは、容易に想像できます。
ほとんどの機関投資家は一定の取引規則に従い、厳密な委任契約に基づき、特定の投資対象に投資・運用します。例えばファンドの中には、大型株ファンドとして知られているものがあります。これは、彼らが時価総額50億ドル以上の企業の株式の買い付けだけができることを意味します。もうひとつの例として、ファンドの中にはハイテク株ファンドとして知られているものがあります。これは、彼らは、大手ハイテク企業の株式の買い付けだけができることを意味します。
機関投資家が彼らのポートフォリオで何を実行しているかを理解できれば、需給関係の力がどのように変化しているか、およびその変化が株価にどのように影響してくるかを判断する上で、役に立つ場合があります。機関投資家の仕事場に入り込みでもしない限りは、彼らが具体的に何をしているかを知り得ないことはいうまでもありません。しかし、機関投資家が取引上の意思決定を行うにあたって何に注目しているかがわかれば、同じものに着目して彼らが次に打つ手について極めて妥当な見通しを立てることが可能です。
2.個人投資家
個人投資家はおそらくは生計のために株式や証券CFDを取引したり、もしくは収入と自己資本を補強するために副業として株式や証券CFDを取引するだけというような、あなたのような人々です。このグループは分析において必ずしも重要な役割を果たすとは限りません。
数多くの異なる要因が株価に影響します。株価の決定には、いくつかの主要因が比較的重要な役割を果たす傾向があります。最も着目する必要があるのは、概して以下の4つの要因です。
- 利益その他のファンダメンタルズ指数
- 配当
- 経済発表
- 市場とセクター(業種)の強さ
1.利益その他のファンダメンタルズ指数
会社の業積は株価を動かす主要な原動力です。結局のところ株式を買うときは、企業の成功と失敗に参加する権利の一部分を買っているのです。企業が充分な業績を上げていれば、当然さらに多くのトレーダーがその企業の株式を買いたいと思いようになります。これによって株式の需要は増加し、一般に株価が上昇します。しかし、企業の業績が不充分な場合は、その企業の株式を買いたいと思うトレーダーは徐々に減って行くことになります。これによって株式の需要が減少し、一般に株価は下落します。
企業業績がどれほどのものかを判断するときは、トレーダーとアナリストは各種のファンダメンタルズ指数(企業の貸借対照表と損益計算書から得られる数値)を見ることになります。企業利益(支出のすべてを支払った後に企業が実現した利益)は、通常トレーダーが注目する最も重要なファンダメンタルズ指数です。ただし、そのほかにも、企業の健全性の目安となる自己資本収益率(ROE:
Return On Equity)と株価純資産倍率などのファンダメンタルズ指数があります。企業のファンダメンタルズについては後のセクションでさらに解説します。
2.配当
利益を上げたときは、企業は次の2つの内の1つを実行できます。企業は利益を留保して、それを自社への再投資に振り向けるか、もしくは配当の形式で株主に払い戻すことができます。配当は所有株数に基づいて株主に支払われる現金支払です。例えば、発行済株式数が100万株の企業が配当500万ドルを支払ったとすれば、各株主は1株あたり5ドルを受取ります。
投資に対して定期的に現金支払を受け取ることを知っているトレーダーは、配当を非常に重視しています。配当は非常に高く評価されますので、(企業利益が成長を続けている限り)企業は通常はより手厚い配当を払うことによって、株式の価値を高めることができます。一般に配当を増額する企業の株式は価格の上昇を享受する一方で、配当が減額する企業の株価は下落します。残念ながら近ごろは実際に配当を支払う企業は減り続けており、代わりに自社に再投資するために内部留保を積み上げる方が選択されています。
3.経済発表
経済発表は個々の企業だけではなく、経済全体に影響を与える情報に関して政府その他の大きなグループが公開する情報です。これには金利報告書(interest-rates reports)と国内総生産(GDP)などの発表が含まれます。株式や証券CFDのトレーダーにとって重要になる経済ニュースの大部分は、何ヶ月も前から計画されています。例えば、アメリカの連邦公開市場委員会(FOMC)が金利変更を打ち合わせる会議の開催期日は、1年前から分かっています。同様にイギリスでは、政府予算と補正予算が現実に決定されるはるかに前から計画されています。これにより、経済発表に関する予想と、結果に応じて保有を予定したい銘柄について研究するための充分な時間が生まれます。
投資アナリスト、エコノミスト、その他の市場参加者は絶えず次の経済発表を分析して、将来のニュースが何になるかを判断しようと心がけています。アナリスト2人が正確に同じ結論に達することはありませんが、各種の予想をざっと調べてみれば、多くの人が考える予想数値を判断できます。この平均的な推定値は「コンセンサス」としても知られています。コンセンサスは既に注目している株式や証券CFDの価格に織り込み済みですので、このの内容を知っていれば、経済指標などの発表の後の値動きを利用することができます。コンセンサス推定値の効果を次に説明します。
分析を完了すると、投資家は通貨が将来動くと確信する方向に従って、利益を得ようと取引を開始します。投資家は経済発表を待ちません。投資家は市場の先を行こうとします。したがって主力市場参加者の大部分は、経済発表の時には、既に取引を終えています。経済指標が発表されて数値がコンセンサス通りなら、株式と証券CFDの価格が大きく変動しない確率は高くなります。大手トレーダーの大部分は既に取引を終えていますので、新たに参入して株式と証券CFDの価格を変動させるトレーダーは存在しません。しかしながら、経済発表の実際の数値がコンセンサスよりも上か下にかけ離れていた場合、株式と証券CFDの価格は新しい経済情報の要因に従って上か下に修正されます。この間に市場参加者たちが新しい情報要因に応じて混乱したとすれば、あなたは値動きを利用する素晴らしい機会に恵まれます。
4.市場とセクター(業種)の強さ
企業は、その業績が株価を変動させる唯一の要素であると思いがちです。残念ながら、業績にかかわらず市場全体の別の力によっても、株価は上昇したり下落したりします。株式や証券CFDのトレーダーは皆知っているべき「潮が満ちてくると全てのボートが浮く」という古い諺があります。これは、上げ相場にいるときは市場と経済全体が上昇気運にあるので、ほとんどの株式は価格が上がることを意味します。他方では、下げ相場にいるときは市場と経済全体が下降基調にあるか縮小していますので、ほとんどの株式の価格が下落することを意味します。
また、単にすべての株価がが上昇したり下降したりするほかに、特定のセクターが上昇したり下降したりすることもあります。例えばヘルスケア株式は、小売の株式が下落している同じ時期に上昇しているかもしれません。市場分析とセクターの傾向に関しては、後のセクションで詳しく説明します。現時点では、前述の力が存在することを知っているだけでも、大多数の小口投資家にかなり先んじている可能性は確実に高いのです。