シンガポール発!マーケットブログ
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ブラジル経済の注目点
日本とは地球の反対側にあり、なかなかニュースも入ってこないブラジルだが、日本からの移民も多く、海外では最大の日本人社会を持っている。それにも関わらず意外とその実情を知る機会が少ないのではないだろうか。
今後成長が著しい国としてBRICsという言葉がよく使われるが、BRICsのBはブラジルの頭文字である。ではブラジルが何故注目されるのだろうか?
ブラジルの人口は中国、インド、米国、インドネシアに続いて世界第5位である。人口は現在1億9千万人で、引き続き増加傾向にある。その人口構成分布をみると30歳未満が半分を占めており、人口が減少し高齢化する日本とは対照的である。
面積も日本の約22.5倍の国土をもつ南米の大国であるブラジルは、資源も豊富で鉄鉱石の生産と輸出では世界最大である。世界屈指の農業国でもあり、サトウキビの生産量は世界一、大豆の生産量は米国に次ぐ世界2位である。ブラジルはサトウキビを原料として、ガソリンの代替燃料であるバイオエタノールを大量生産している。そのバイオエタノールを配合して走る燃料車を開発し、販売台数も順調に伸びている。
若い労働人口と豊富な資源がブラジルの主な成長エンジンであるが、それに加え2014年にサッカーワールドカップ、2016年にはオリンピックが控えている。そうした特需からも競技施設や交通機関などのインフラ整備も進み、雇用創出も期待されている。
2008年秋のリーマンショックにより、2009年度の成長率はマイナス0.2%と1992年以来のマイナス成長となったが、IMFの予測によると順調な消費拡大と企業による設備投資によって2010年度は4.7%の経済成長が予測されている。中には6%も期待できるという強気の意見も既に出ている。リーマンショックの影響は決して小さいものではなかったが、ブラジルは以前経験した通貨危機やインフレが教訓となり、銀行も健全な状態で維持されていることが幸いした。
↓ ブラジルGDP金額推移
↓ 一人当たりのGDP推移 10000ドルクラブも間近
この好調な経済はルーラ政権の功績によるところが大きい。現在2期目のルーラ大統領は1期目(2002年~2006年)まで財政収支の改善を行い、財政状況を大きく立て直し、2007年にはブラジルを債務国から債権国へと転換させた。それと同時に外貨準備高と貿易収支の黒字幅も大きく拡大した。2期目では経済成長を重点政策とし、先進国と比較しても高い経済成長を達成している。そうした実績もあり、現在支持率が80%超というのも納得できる。
しかし、問題はルーラ大統領の任期が今年10月に終了することである。
ブラジルの憲法で3選は禁止されている為、次期大統領選挙の行方には世界中が注目している。与党である労働者党は2010年2月にルセフ官房長官を党の次期大統領候補に決定している。一方、野党であるPSSB-ブラジル社会民主党側は現サンパウロ州知事のジョゼー・セーラ氏が有力候補のようだが、現在のところは確定していない。
ルーラ大統領はブラジルの大きな社会問題である貧困についても対応しており、経済成長を背景に貧困層の割合は低下、中間と高所得層の割合が高まっている。彼自身、決して裕福とは言えない生い立ちの為、貧困問題は是非とも改善したいと考えているのではないだろうか。接戦が予想される次期大統領選挙まで半年以上あるが、こうした政治状況が経済に与える影響については注視していきたい。
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